新型コロナウイルス特措法に基づき、4月8日政府より方針が示されました。基本は人と人の接触を現状から80％減らし、5月6日までに鎮静化させるとするものです。その人の流れを遮断させるために様々な職種に休業の要請が出されました。
その中で、老人施設は入居施設・通所施設・訪問等々現状のままとの事です。但し、当然の事ですが最大限の予防を施すとの要請が出されました。私たちはこれまで、「先達の皆さんの尊厳を汚さず、ご本人とご家族の思いを最優先にお世話させて戴く」との理念のもと、また(一日一度会わなければ、忘れられてしまう。せめて昼食か夕食だけでも私が食べさせたい。)等のお声を聴き、親子の情、絆を断絶させる権利権能は、社会福祉法人には与えられていないとの信念の基、ご家族の面会を止める事をせずに参りました。
然し事ここに至り、私たちだけが理想の旗を掲げていることは許されず、誠に断腸の思いですが、4月9日午前0時より5月6日午後24時まで、入居施設でのご家族の面会を遮断いたします。
その代わりに、せめてインターネット回線での会話などを進めたいと準備しております。勿論、パソコンや携帯電話を持っていない方、或いはやり方が分からない方などおられるでしょうが、各施設の相談員・ケアマネジャー・事務員・理学療法士・看護師・栄養士・ドライバーに至るまで全職員一丸となって、フォローさせて戴くことをお約束させて戴きます。
私も齢70歳、残された貴重な時間を考えるとき、会うことを許されないお年よりとご家族のどんなに辛いことか。国難ともいえるこの時に、次の代への責任として、ご理解の上ご了解くださるよう伏してお願い申し上げます。　

社会福祉法人 　大 樹 会
理事長（親方） 井上 直樹